悲壮感漂う日本のパソコンメーカー
- (2009-12-01 05:20:14)
「Windows7発売!XP並みに速くなりました。Vistaでイライラだった方、今なら買い換えのチャンス!」
2世代前のOSの実力に戻ったという意味だろうか?妙におかしかった。
IBMを土俵外に押し出し、Windows95でMacintoshを駆逐したあのMicrosoft社だが、かつての偉容は今はあまりない。早くも老いの気配が。
前評判通り、Windows7はすばらしい出来映えに仕上がっているらしい。しかし、もはやソフト界の巨人達のフォーカスは別のところに移っている。IBMのように巨大な収益を産み続ける企業ではあるが、エッジではなくなった。
世界のソフトウェア産業のピークが過ぎたことを意味しているかもしれない。Googleはそれを象徴している。
一方、日本のPCメーカー。OSなし、CPUなし、半導体なし、部品なし、ソフトなし、ソフトウェア開発力に至っては・・・自社商材の対象になる理由はもはや何も残されていない。
唯一残されていた「パソコン組み立て作業」さえ今では中国や東南アジアに移動して久しいが、そこからハイテク技術の逆攻勢を受ける状況。顧客リストもコモディティ化した商品が対象では我らのような中小企業のビジネスといったところか。一部上場様のやるには不似合いだ。
「Windows7効果でPC出荷2割アップ!」という記事がでていた。
喜ばしい書き方がなんとも複雑だ。この売上げは一瞬の現象。ビジネスマンなら喜べない。トヨタが世界一の自動車メーカーにのし上がったとき誰の顔にも笑顔はなかった。
製造業が何か終わりかけている恐ろしい予兆を感じたものだ。
この状況に至ってもまだPCにしがみつく日本家電メーカーの魂胆は測りがたい。人智の理解を超える。日本人社会の怪奇な構造的問題ゆえにニッチもサッチもいかないのか。
黙して死を待とう。
太平洋戦争末期に似てきた。
いや、秘策がある。早めにコケてしまうこと。今の状況は半世紀のうたた寝の結果だから、目覚めざるをえないところまで事が進行すれば案外この国は躍動するかも。
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