ショッピングカート選び、いったん選択したら引越せない?
- (2010-03-22 10:53:12)
さまざまな選択基準があると思うが、私が重視するのが「顧客データベース」。ECショップでお買い物をする場合、会員登録の後ログイン(ログイン方式)が必要かどうかは最初のハードルであり選択基準。
ズバリ、会員登録なしで買い物ができるシステムがよい。
AMAZONや楽天など大手のモールではログイン方式が主流。買い物履歴の表示やレコメンデーションなど、何かと顧客サービスを充実させるにはログイン方式でなければ不可能なので、やむを得ない現象ではある。
しかし、結果的にインターネットユーザーは一人で数十、どうかすると数百のIDとパスワードを所有管理する状況になっている人も多い。
多すぎるID&パスワードに疲れる
ユーザーは多すぎるログインIDとパスワードに疲れていると思う。あるいは顧客情報をショップに残したくないユーザーも多いだろう。
しかし、大小様々なASP型のECサービスやEC構築ソフトではログイン方式必須であるところが少なくない。
ログイン方式を採用した場合、顧客のパスワードを管理することになる。システム運用上、留意すべき点はパスワードや顧客データの漏洩などセキュリティ対策は非常に気を遣う必要がある。
ECサイト・ECショップ側の経営・運営上の問題もある。最大の難点はこれだろうか。
「一度稼働し公開された顧客データベースは引越・乗換ができない」
他社への乗換不可能な顧客データベース
公開された顧客データベースは他社のECサービスや違う種類の顧客データベースへの変更が、何らかの犠牲なしには非常に困難である。
顧客データだけならエクスポート・インポートで可能だが、パスワードや秘密の言葉の乗換は不可能でないにしてもリスクが高すぎる。顧客の混乱なしに同じパスワードで、かつ同じ仕組みで他社の顧客データベースサービスへの乗換はできない。
つまり、会員登録・ログイン方式を選択し、その顧客データベースをいったん稼働させ公開したらビジネスが終焉するまで同じ会社のECサービスのデータベースと付き合っていくくらいの覚悟があった方が安全である。
EXIT戦略:会員非登録なら乗換可能
逆に、もし会員登録なしのログイン方式を採用しなければ、新しいECサービス会社に乗り換えることは技術的にも運用的にも比較的簡単である。「乗換」「引越」これもEXIT戦略の考慮すべき項目・キーワードではなかろうか。
おすすめECサービス
そういう観点からビジネスサイズが小さいうちは非会員登録・非ログイン方式ではじめ、ビジネスサイズの拡張とともに会員登録・ログイン方式に移行し、移行後は一生その顧客データベースは変更しない・乗り換えないくらいの見通しをもって選ぶ必要がある。
実際は技術革新の激しいインターネットで「一生」なんてことはそもそも不可能だが、それくらいの心構えでいた方が有利と考えている。
おすすめECサービスとは
・非会員登録・非ログインでショッピング可能:会員登録の表示画面さえ表示を消せる仕様であること
・大手ベンダー:長期的なサービスの継続性が期待できる
・クライアント数が多いベンダー:サービス継続性と継続的なシステム改良を期待できる
・リーゾナブルな料金設定:長期的に支払い続けることができる料金
・商品管理や決済機能など機能は多ければ多いほどよい:将来どんな機能が必要になるわからない。
とくに機能は多ければ多いほどよい(*1)。現状自社に求められる仕様やファンクションだけで判断すると危ない。
とにかく途中他社への乗り換えがかなり厳しいので致命的な機能で、後になって機能不足が判明し「進めず戻れず」状態に陥りたくない。そういう意味で開発意欲の高いベンダーは将来の災いが少ない可能性があるベンダーである。
(*1)「機能は多ければ多い方が」とは言っても、機能と呼べないようなモノまで機能と呼んだり、完成度が低くまるで使えない機能をてんこ盛りにして、宣伝のためだけの機能数の水嵩を増やして見せかけている会社さんもあるので目利きが必要だ。「ベンダー発表の機能数はハナから信じない」くらいがよい。やはり実際にECサイトを構築しテスト運用を行って見極めるしかない。
(続く・・・)
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