Yahoo!知恵袋で自作自演マーケティング?
- (2011-03-04 17:06:44)

スモールビジネス企業にも営業電話
会社にはよく飛び込みの営業電話がくる。当社のような小規模のスモールビジネス企業にもよくくる。Webサイトで会社概要と電話番号が公開されているので、コンタクトしやすいようだ。
当社はインターネットでビジネスをやっているのでネット系サービスの営業電話は珍しくない。営業支援の提案やSEOサービスなど。とくにSEOの営業電話は去年まで非常に多かったが今年はさっぱりである。
「Yahoo!知恵袋で顧客誘導しませんか?」という営業電話
今日の電話は「Yahoo!知恵袋で顧客誘導します!」という自作自演マーケティングサービスの勧誘だった。
これは明らかにステルスマーケティングそのもの。
商品の感想やレビューを一般の顧客が投稿する口コミサイトや口コミ掲示板はインターネットの中でも人気のコンテンツとのことだから、ここで自作自演の商品レビューなど書き込む企業は当然多い。
中小の無名企業だけでなく、一部上場の著名な大企業さんもときどき自作自演マーケティングがばれてサイトが炎上したりするケースがたまに見受けられるが、バレる方が希だ。
(※逆に意図的に炎上させて爆発的トラフィックを呼び込む、裏技マーケティング・テクニックも実施されているだろう。悪評の方がニュースになりやすい事情を逆手に取ったマーケティング)
ステルス部隊の暗躍
昔、出入りしていた大手の会社さんではマーケティング部内にネット対策部隊がいて、自社製品のヨイショと第三者から投稿されたネガティブ・レビューに対して反論や封じ込めをミッションとしていた。
ネガティブな意見に対する企業側からのさらなるネガティブ・キャンペーンである。
陣容は不明だったがそういうステルス部隊の活動はますます巧妙で高度化し、今後、守備側・攻撃側に分かれ、さらに激化していくのだろう。
(ある国の政府には数万人規模のネットパトロール部隊がいて国民の思想統制に力を発揮していると聞く。多かれ少なかれ世界中の企業も似たような活動をしているもの。ただ西側の企業にはまだしも節度がある活動のように感じる)
もはやサクラだらけのサクラ吹雪サイト
消費者の意見を覆面で誘導しようとする活動があまりに激しすぎて、今ではサクラ達の記事で埋め尽くされた感じのある著名な口コミサイトも見受けられる。
もはやサクラだらけのサクラ吹雪状態だ。「サクラ吹雪サイト」。
たんに笑い話でしかない。
サクラだけが目的のメッキ記事は時間の洗礼に耐え難い
しかし、消費者は企業や広告会社が考えるほど単純ではない。
サクラがいくら巧妙に偽装し一時は誘導に成功しても時間とともにサクラのメッキ記事は敬遠され無視され、企業や商品の金メッキは剥げ落ちるもの。
サクラ記事は消費者の信用を失い、そういうサクラ吹雪の口コミサイトはサイト全体が没落していく。
サクラたちが、次に向かうナレッジサイト
口コミサイトが没落した後、自作自演マーケティングの流れる先はQ&Aサイトやナレッジ系サイト(ナレッジコミュニティ)と考えていた。
たとえば、「はてな」や「Yahoo!知恵袋」「大手小町」「教えてgoo」「発言小町」「OKWave」に向かうのではないかと私は考えていた。
実際、そういうナレッジコミュニティでささやかれる口コミの影響力は大きい。
だから、自分自身思いつくのだ。ここで誰かが自社製品のことをささやいてくれたらなと。
しかし、それを実際にビジネスにしている会社があるとまでは予想しなかった。今日営業電話をもらって、ナレッジ系サイトももはや相当汚染が進んでいることを実感した。
自作自演マーケティングがビジネスとして成立する現状
なぜなら、我らのような中小企業にこういう営業電話がくるということは大企業 → 中企業 → スモール企業への営業が一巡したことの証である。
ナレッジサイトでの自作自演マーケティングが、技術的にもコスト的にも相当こなれてきていることを意味する。
(我らのような中小企業は予算が厳しいので相当安価なサービスでなければならない。それができるほどサービス提供の環境が整備されたと判断したい)
逆に、本来オーガニックで自然発生的なコミュニティであるはずのナレッジサイトがすでに自作自演マーケティングの人々によってスポイルされ疲弊し始めている事実を物語るのではないか。
自作自演マーケティングとSEO対策は同じ?
ちなみに「Yahoo!知恵袋で顧客誘導しませんか?」という営業電話に対して、
「自作自演はちょっとアレですかね・・・」
とやや否定的な意見を述べると「SEO対策は?」と質問され、SEO対策だって「似たようなもの」ではないかと反論された。
SEO対策もオーガニックで自然発生的でない部分は確かにあるが、難しいところだ。私はその営業マンの意見に賛成できなかったが100%否定もできないところが、割り切れないテーマだ。
少なくとも企業の利害関係者であることを公表せず第三者を偽る自作自演マーケティングとコンテンツのクオリティを上げることを目標とするSEOとは本質的に違うと私は感じるのだが。
いずれにしても安易にカネで外部リンクを買ったり、カネで見ず知らずの人々に第三者を偽って口コミをしてもらったりしても、「長期的に、いいことは絶対にない」だろう。