< | >

PDFはいやだね
  • (2021-05-12 16:34:30)

PDF「売上報告書」にがっかり


最近、DGフィナンシャルテクノロジーさんの Veritrans 4G というクレジット決済サービスを利用しはじめた。

Veritrans 4G のイケてる点・イケていない点、いろいろあるいが、イケてない点の一つが、毎月の「売上報告書」がPDFであること。

PDF、しかもテキストをコピーさせない設定となっている (なんで?)

郵送で書面が送られてくるようなものと考えれば、郵便物よりマシかと思うが、「実に残念である」がボクの感想。

おそらく以前は書面を郵送していたのだろう。その延長線上のPDFに思える。

現在システム開発するなら、売上報告書の類いの出力はWeb画面に直接データベースより結果をはき出すシステムになるだろう。

PDFは介在する理由がないし、介在すべきでない。

紙でないと嫌だというクライアントが日本には多い。こういう事情もあると思う。こういう人々が日本のデジタル化の大きな障害になっている。


なぜPDFにするのか?


なぜ報告書をPDFにするのか、がボクには不可解である。

ワレら日本人はPDFが大好き。たとえば、日本のお役所。お役所さんはことのほかPDFが大好き、どんな書類でもPDFにされる。

そして、それをプリントアウトして、バインダーに閉じて倉庫にしまう。


PDFのメリット


PDFのメリットは紙書類の外見がほぼそのままデジタル化できる点。これをメリット?と感じるかどうかが、PDFに対する賛否の分かれ目か。

これまでの紙媒体を前提に構築されてきた文書システム・文書環境を変化させることは恐ろしい。

変化することにアレルギー反応が出やすい組織だけに、既存の文書システムに変更を加えないPDFは確かに魅力。

しかし、今の時代、情報の配布や通達を、そもそも「Word」や「一太郎」で書く必要ある?一般公開向けの文章ならWebでしょ。

データはデジタル制作し、配信し、受け取る側はスマホで受けるという時代、紙の配布自体が、今流行りの「SDGs」の考え方に反する。

世界の潮流に反しており、環境負荷を続けるお役所さんに目覚めて欲しい。


PDFのデメリット


デジタル情報の最大の優位性は「再利用性」と「検索」。

PDFのデメリットはデジタルなのにデジタルの最大のメリットをあえて否定する点にある、存在自体が矛盾。

なかにはテキスト情報をFAXのように画像にまで落としてPDF化する人々もいる。理解に苦しむ。


PDFの真意は書類文化の延命


書類文化をなんとか延命するためだけの技術としか思えない。

書面のように改ざんや変更されないことがメリットという人もいるが、しにくいというレベルであり、実際は編集可能であるし、改ざん可能である。


社会全体の経済的損失


当社の事例で言えば、毎月の Veritrans 4G の「売上報告書」はPDFであり、そして、テキストがコピー防止設定になっているため、郵送書類と同じく、書かれている金額、数値などをExcelや会計ソフトなどに転載する場合はすべて手打ちである。

わずかな仕事である、しかし、これが日本中の多くの会社で行われている。

コピペや自動入力で済むはずの転載作業に、手入力したら、日本全体の経済的損失ではないかと思う。

ムダな経理作業である、しかも、手入力にはミスがつきまとう。トラブルの原因でもある。


なぜPDFはなくならないのか?


「Word」や「一太郎」が優れたアプリだったから、だろう。中には「Excel」で書類を書く人もいる。芸術的に優れた書類になっている場合もある。

Excelは革命的に優れたアプリだが、本来的にExcelは書類作成ソフトではない。多くの社会人が、これらのアプリで書類を作成するスキルをすでに獲得してしまった。

いまさら、新しくWebで書くスキルを学ばせようたって、それだけの労力も時間もコストもかけられない、と思うのはわかる。

「労力・時間・コスト」の部分は共感する。

しかし、お役所さんが出しているPDFはおおむね、「Word」や「一太郎」で書く必要がないほど単純で、しかもフォーマット化・テンプレート化されたものばかりである。

Webだって、テンプレート化すれば、「Word」や「一太郎」の労力と変わりない。スタッフ全員がWebコードを書く必要はない、小さな会社ならコードを書ける人は一人いれば充分。

現在のように多くの情報が、個人のスマホやPCに表示することを前提にしているのなら、PDFは最初からナシにしたらよいかと思う。

紙媒体が必要なら、そこからPDFにするケースはあるが、「Word」「一太郎」からPDFという情報の流れは終わる頃と思う。

その方が社会全体の経済的恩恵は大きく、紙ひいては森林の無駄な消費も軽減できる。そして、人々を手打ちなどの無駄な作業から解放することになる。


紙で保管しない文化が必要


PDF化する理由はユーザーが紙の書類で保管するからだろう。法律も紙で保管することを強要しているものが多数ある。

こういう状態なので、PDFは今後もしばらく残ると思う。しかし、FAXが滅んだように、世界的には多くのビジネスシーンでPDFはすでに終わっている。

国土が狭く、不動産コスト・倉庫コストが高い日本こそ、重量があり場所をとる書類で保管するのではなく、デジタルで保管すべき。

情報をデジタルで保管するという発想が、社会の常識になれば、わざわざPDFにする意義も理由も失われると思うのだが・・先は遠そう。

紙派は停電リスクを考えるだろうが、現代社会における停電は生活そのものがストップする。

紙なら停電でも見られるが、その基盤である生活の維持ができない状況で「紙なら大丈夫」という発想は枝葉末節である。



<< 秀丸マクロは「Shift_JIS」で< | >SMSによる詐欺ショートメッセージ >>
search
layout
admin

[▲page top]