またもや欠品。在庫管理の重要性
- (2009-04-25 11:38:28)
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・失敗再発。信用の失墜、ブランドの傷
当社の場合、目に見えやすい緩衝材や段ボール箱など大きい発送資材は少なくなりかけると見えるだけに担当者が「そろそろ発注しておくか」とビジュアルアラームを受ける。大きい発送資材は多くの場合これで事足りている。
しかし、商品棚の奥にしまわれていて、小さくて回転率もそれほど高くない商品は完全に在庫が切れてしまった後に発送担当者が「在庫切れです」と言いに来ることがある。特に受注した後の在庫切れ発覚は後味が悪い。顧客に在庫切れを通知したり受注伝票を書き替えたり、それ以降注文が入らないようWEBやショッピングカートシステムの変更という労力があるだけでなくそれが欲しかった顧客に失望を与える。
これは信用の失墜でありブランドの傷となりかねない。
にもかかわらずたまにやってしまう。在庫管理を担当者のビジュアルアラームだけに依存しているからである。現状在庫管理がうまくできていない。特別なシステムは必要ない。とにかくきちんと入荷量・出荷量を記録するという基本運用がまだ徹底されていないことがこの惨状の諸悪の根源だろう。
・現在庫量の把握+出入荷ごとの入荷量・出荷量のシステムへの入力
商品(完成品)・仕掛品・原材料・商品資材・発送資材の在庫量を正しく把握し適正な水準を維持。欠品によるお客様への迷惑防止(同時に当社にとっては販売機会損失)を回避し、在庫切れの説明制作とWebなどへのアナウンスする労力とコストを廃絶することができる。
在庫管理のシステムを作り、現在の在庫量を把握し、ルーチンワークとして入荷と出荷ごとに入荷量・出荷量をシステムに入力・記録する。これにプラスして「定期的な棚卸し」による物理在庫量のチェック。
・ロングタームでの展望:キーワードは「マスターデータベース」
受注システムから在庫の理論値を推測できるし、安全在庫の閾値(日数や数量)設定し、スレッシュホールドを割った際にはメールなどにてアラームを通知・発行するシステムを作ることは可能だと思う。
考えてみれば受注システムのデータベースは残存在庫数量を教えてくれるだけでなく、過去データから在庫切れの時期などの推測も可能。商品の売れ行きは生産計画や仕入れ発注計画に反映できるし、商品売上は会計システムに、顧客情報(属性情報や購買履歴、要望履歴、苦情履歴、対応履歴など)はカスタマーリレーションシステムに反映できる。
そういう意味で受注データベースを「マスターデータベース」として、発注システム・会計システム・カスタマーリレーションシステムに展開することは美しいシステムに見える。これがERP(Enterprise Resources Planning)の考え方だろうか。
・一定数量が安定的に回転しないとシステムの実力は発揮できない
ある一定量の商品が流れ出すとこのへんのシステムは俄然存在感を増してくるが、現状は特殊な事情(季節変動・キャンペーン・新作商品・テレビショッピングなどのスパイク的販売)がありすぎて理論的な需要予測や発注計画をシステムから割り出すには少々無理がある。
少なくとも去年振り回されたテレビショッピングは今後お断りする方針をすでに固め実行済みなので、もはや考慮の必要はないが、不安定要因は依然多い。
しかし、ビジネスが安定し、安定した数量の受注・販売・仕入れ・生産サイクルが毎日安定して回り出すとシステムの威力は圧倒的だろう。このステージでシステムは最も美しい。
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